そーだメモ

オタクのブログです。

オードリーのオールナイトニッポン in 東京ドーム 感想

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幸運に恵まれて現地参加できた。

いつものラジオの延長線上にあって、好きになったタイミングがバラバラでもみんな楽しめる、とにかく素敵で夢みたいな公演。

 

「おともだち」が流れるOP映像に開幕早々にも関わらず、涙腺にグッと来た。

フィールド・オブ・ドリームス」と「メジャーリーグ」のパロディ、そして、ロードバイクで爆速する若林さんには爆笑。対照的に、リトルトゥースの間をゆっくり練り歩くスターな春日。

いつものラジオが始まり、トークの間には様々な企画や演出があってずーーーっと楽しい時間が続く。場繋ぎに駆り出されるモノマネ芸人たち。

『とんぱちオードリー 春日の体当たり企画』を彷彿とさせるゲレンデの駐車チャレンジ。暴れ気味な若林さん久々に見た気がする。

春日の相棒にしてクミさんの友達なフワちゃんとヒール役な春日とのプロレスデスマッチ。

味玉トッピングを付ける付けないというくだらない理由だけど、ばかばかしくていいじゃん。

MC.wakaによるDJタイムでテンションがアゲアゲになってからの、サプライズゲスト星野源さんが登場。「Orange」と「Pop Virus」を歌ったり、トークまで聞かせてくれるという贅沢すぎるパート。

ドームの空気を掌握する歌唱力と佇まいはもちろん、ラジオやあの場での言葉遣いや話す量、星野さんの全てに気遣いや思いやりが溢れていて、何て人だとただ圧倒された。

あと、ドームverのリリック全文どこかで公開してくれないかなーと淡い期待を抱いている。

 

これもやるんだって苦笑したしんやめのコーナー。

カラテカ矢部さんネタみんな大好き。

 

懐かしの味再現しようと奮闘する春日、やりがい模索して始めたウーバーでチップ貰おうと奮闘する若林さんは何だかんだ良いコンビ。

もう食べれないと思っていた懐かしの料理食べたら、誰だってそりゃ涙腺にくる。星野さんも長楽のポークライス食べたことあるのには驚いた。

 

若林さんによるステージ上やトロッコ(?)から付かず離れずな絶妙な塩梅でのイジりはもはや匠の技。スパッといってくれるの気持ち良い。

 

ラストの漫才でこの日一番の爆笑をかっさらうあたり、ずるいくらい格好いい。テーマが「自己紹介と感謝」で30分近くの長さも漫才できるのは漫才師として強度が高すぎる。ほぼ開幕でのネタ飛ばしや急なアドリブも捌ききる若林さん。ひたすら他人に対してはありがとうとしか言えない、でも言われたことは全力でやりきる春日。

 

ただただ"くだらない"やり取りだけど、

ずっと見ていられるし笑っちゃう。

 

『お互いトゥースだったら、またやろうや』

"だったら"という言い方に、照れくささや様々なリスナーへの配慮が感じられる言葉。

 

素敵なお守りいただいた。

こっから、まだ生きていきましょうや

 

 

 

『Seize The Day』歌詞和訳

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SixTONES4枚目アルバムに収録されてた、全編英語歌詞なこの曲。少し前に北斗がインライで「みんなそれぞれ訳してみてほしい。」と言っていたので、挑戦した結果が以下の通り。

 

歌詞:

Every page is turned by a breeze, empty letters seem to be free

人生は些細なことで変わる、何でもなかったあの頃は自由に思える
Day by day without, all my feelings don't turn me

何もしない日々を送っていたら、自分を変えることなんてできない
When you loose something like your way,
you should choose your heart right away
Don't regret the past Move to the front, right now
どうすればいいのか分からなくなっても、心が正しいと思うほうに進むべきだよ

過ぎたことを後悔しないで前に進もう、さあ今
[Just seize the day] Don't need to repent the past

[今を精一杯生きるだけさ]過去を悔やまなくていい
[Just seize the day] Don't have to fear next day?

[今を精一杯生きるだけさ]未来を怖がらなくていいんだよ
This moment will never come again

この瞬間は二度とやってこない
Not someday, we live right now

いつかじゃなくて、今を生きてるんだ
[Just be yourself] Do not compare with the others

[あなたらしくいればいい]人と比べてなくていいんだよ
[Just be yourself] Just take the way you want

[あなたらしくいればいい]きみが信じるほうに進むだけだよ
Sometimes we fail, sometimes we fight

失敗したり立ち向かわなきゃいけない時もあるけど
Just around and moving, Keep on goin' goin'
歩みを止めないで前に進もう

 

 

In the past when I turned a page, how I wished,

いつからか変わってしまった僕は、あのころ何を願ってたっけ
if I just had changed

変わらないままでいられたら
Thinking for today, would have been a better day

もっと良い日々を過ごせてたのかなって、今日も思う
Disappointing that's in my mind Cause I still have hope in my mind

そんな風に落ち込んでしまうのはまだ心に希望があるからだよ
Never throw away That's the right key My life

希望を捨てないで、それがあなたの人生にとって本当に大切なものなんだから

[Just seize the day] Let's do it, shake off the pain

[今を精一杯生きるだけさ]さあやってみようよ、痛みを振り払って
[Just seize the day] Just focus on the “Now”

[今を精一杯生きるだけさ]"今"だけを見ていればいい
never too late to start again

また始めるのに遅すぎるなんてことはない
Let your step move from right here

今ここから歩み出そう
[Just be yourself] You shouldn't look for the answer

[あなたらしくいればいい]答えなんて見つからなくていい
[Just be yourself] Create the world you want

[あなたらしくいればいい]きみが望む世界を作ろうよ
Do it always, do it like that Live your life
that's yours so Keep on goin' goin'
いつもやってみようよ 、きみの人生を生きるってことを

それがあなたらしさだから、さあ前に進もう


Sometimes you stop There will be times you want to cry

立ち止まることもあるけど、それはあなたがどうしても泣きたいときなんだ
Pain is telling me I should not escape,

逃げちゃいけないって痛みが教えてくれる、
keep hanging in Face it now Can be anyone you want

諦めないで立ち向かってなりたい自分になれること


Everybody, [so everybody]

僕らは、[私たちは]
We won't be young forever

未熟なままじゃいられないから
Just seize the day… Just seize the day…
今を精一杯生きるだけさ…ただ精一杯生きるだけさ…
The future let's talk about [Don't be afraid of anything]

いつか話をしようよ[何も怖がらないで]
Forget the pain in your past [Shouldn't be trapped in anything]

辛かったあの頃を忘れてさ[何にも縛られないでいるべきだよ]
That is the way I believe [Yes, I am sure]

それが信じる道を行くってことだね[うん、分かってるよ]
Getting lost is proof you're Looking ahead

道に迷うのはあなたが前を向いている証拠だよ
Life is your only story [Let's seize your glory]
人生はあなただけの物語なんだから[栄光をつかみ取ろうよ] 
Ready to take off

旅立つ準備はできた
Receiving headwinds and fly off

向かい風でも飛び立とう
Can you feel that

感じることが出来るはずさ
The wind around

ほらこの風を
It's the time, for you now feel it in your hands
旅立つ時だよ、その手にもいま感じてるよね
[Just seize the day] Conservative is no answer

[今を精一杯生きるだけさ]弱気なままじゃ答えは出ない
[Just seize the day] Release it. Let it go!

[今を精一杯生きるだけさ]心を解き放って、さあ行こう!
This moment will never come again

この瞬間は二度とやってこない
[Never too late to start again]

[また始めるのに遅すぎることなんてないんだ]
Just around and moving, Keep on goin' goin'

歩みを止めないで前に進もう
Just seize the day

ただ今を精一杯生きよう

 

P.S.

英語力が皆無すぎて思ったより大変だった。

けど、曲を聴いた時に歌詞に込められたメッセージがより沁みる

・・・ようになった気がする。

新3大TOMOOさん作詞のここ好きポイント

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関ジャムでいしわたり淳治さんと蔦屋好位置さんが2023年ベスト3以内にTOMOOさんの楽曲を挙げておられて、自分も歌詞のここ好きポイント語りてぇ〜〜〜となったので急遽発表。

 

HONEY BOY

https://youtu.be/03oBr9fo5Mc?si=7VUUDN1G7m-WAlzI

噂多き優モテ男に片想いしてる女の子の心情を表現した曲

「私のこと、どう思ってるの?ねぇ、私には貴方の本心見せてよ」

"運命共同体になれそうもないね"という耳に残るフレーズをサビで繰り返しながら

「でもまだなんか割り切れない」「でもまだちょっと期待してんだ」「でももう全部抱き寄せたい」

好きな気持ちを自覚しつつ、特別な関係にはなれなかった悲しみをストーリー仕立ての歌詞でグルーヴ溢れるピアノに乗せて歌う、歌謡曲×ジャズなメロディのこの曲、必聴です。

ちなみにHONNY MANはヒモ男のことだそうで。

 

②ベーコンエピ

https://youtu.be/w2nuURbc0kI?si=B6c9VBVhJ0HvsfFC

 

結婚式で流したい曲No.1(個人順位)

 

大人になるのも 子供になるのも

きみとがいいよ きみとがいいよ

先のことなんて わからないけど

 

サビのこのフレーズ聴いた時に

「好きな人と、どんな関係でいたいかのアンサーはこれかもしれない。」

短くシンプルだからこそ直球で心の芯に届いたような感覚がした。

素敵な言葉選びに溢れた曲なので、検索して歌詞の全貌を目にしてみてほしい。簡単に解けないパズルのように組み合わさった恋人繋ぎした手を、パンとベーコンがパズルのように組み合わさったベーコンエピに例えるセンスに私は震えました。

あと、普通の音源も素晴らしいけど、ピアノ連弾なライブアレンジはほんとズルいくらい最高。

 

③グットラック

https://youtu.be/EdC86ldbFKg?si=4RJCXBunJ09-dekU

 

グットラック

ほんとうは どこにだって行けること

うそだなんて思わないで どうか見ててよ

変わって 変わらなくても

掴んでも 立ちどまっても

輝いて 良い旅を

 

グッドラック

そのまま 抱えていけない分は

捨てるでも 背負うんでも 引きずるんでもなくて

手足になって進んでくんだよ 坂の向こうまで

大丈夫さ 忘れても

 

 

立ち直り先に進むとき

勇気を出して一歩踏み出すとき

メジャーに進出したとき

ご自身にも向けたエールを込めた曲なのだろうけど、これほど自然体で静かな決意を秘めた歌が他にあっただろうか。

人生の岐路に立つタイミングで聴いてほしい1曲。

 

 

 

P.S.

推しがいる人には『スーパースター』

https://youtu.be/pI3537YYGys?si=kg9VhVC-yUQvNq71

失恋して深い悲しみにいる方には『泳げない』

https://youtu.be/f6Jiw0qQ3zI?si=2ShY9udZCR8YlKee

他にも聴いてほしい曲が山のようにある…

Youtubeチャンネル登録よろしくお願いします!

 

 

ではでは〜 You You!!!

 

 

 

LIGHTHOUSE視聴感想

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全編通して、1番衝撃を受けたのはオードリー若林さんが自身を評して『来訪者』と仰っていたこと。人や物事に対しての興味関心を持ちながらも、己ですら俯瞰的に見る癖があって、どこか社会に対して感じる馴染めなさや違和感を抱く人間を言い表す言葉としてこれほど相応しいものはないと思えた。

何なんだろうとずっと悩んできた自分を肯定された訳でも否定された訳でもなく、「お前そんな感じだよね」と言われた感じに近い。自分は来訪者であり違う星から来た宇宙人みたいなものだと認めると、肩の力が少し抜きやすくなった気がする。「余所者の割には社会生活に普通に溶け込み人間関係を築けてる方じゃん。」って自分で自分をときどき肯定してあげられる。社会の輪に入れない、仲間になかなか入れない、そんな人間も生きられる淡い世界であってほしいなと願うばかり。

 

 

その他、各回で印象的だった言葉とそれにより引き出された気持ちも記していく。

#1『人って変化が本当に苦手。見てた人の雰囲気が変わるっていうことに対して、すぐ喜べたり面白いねって言える人って本当に少ない。』

#2 『人間ってやっぱり人に対して、自分がどう思われているか考えないと生きていけない生物』

SNSで言ってることを本音だと思ってるのが間違い。あくまで表現であり、人に見られる可能性があるものは自分の本音じゃないと思う。SNSの普及もあって、本音をぶつける機会に恵まれてない。しかも、コミュニケーションも最適解か間違ってるかの二項対立になってしまっているけど、大体のことは淡いグラデーションのところにあるはずで、それに耐えられなくなっている。』

#4『何かの愛を発信する時に、周りがどうであれ好きということ、それしか愛の発言として効果がない。』

人間は根本的に楽をしたい生き物なんだと思う。変化するということはそれに適応する必要が出てくるが、「〜なところが好きだったのに」「人気出て変わってしまった」とか自分が好意的な感情を向けていた相手ですらそんな有様なんだから、他人に対してはもっとドライで辛辣であっても不思議ではない。レッテルや固定したイメージを当てはめて、それから逸れた言動を見かけた時に、意味や理由を考えて理解しようとしないからマイナスな発言をしたり相手を突き放したりする。しかも、尖ったやつや逸れものを叩くことがSNSの普及でより手軽なコンテンツになり、もはや不満解消に使われる。仲間外れにいつでもなりうる可能性をみんな秘めている、内心怯えて生きている。

自分も含めみんな、良い意味で『面白がる』ことが出来る余裕を無くしてしまっているのかなぁと思わざるを得ない。

 


#1『一般的な社会で働いて生きていく未来が見えなかった。今やっていることをやるしかない、それ以外の選択肢がない。みんなが行く所に自分は行けない。』

#4 『星野さんの音楽を昔から聴いてました。自分も星野さんみたいにいつか役者もやりたいと思ってるんですよね、と簡単に言われるとイラっとする』『たりてるふたりじゃんとか言われるけど、お前は俺と同じ20代過ごせんだろうなぁ!』

「憧れは理解から最も遠い感情だよ」

「不幸自慢禁止って最初に言ったよなあ?キリがねぇんだよ、そこ張り合い始めたら。全員で不幸目指してヨーイドンだ。そんなんどこに意味がある?」

(それぞれ大有名マンガより引用)

これらの言葉に尽きる気がする。キラキラした面だけじゃないってみんな分かってるはずなのにどうして目を向けないのだろうか。イケメンとか美人に生まれたかった、お金持ちの家の子が良かったとか、そういった人たちが抱える悩みは恵まれない自分たちの悩みに比べたら大したことないと、理解もせず話を聞こうとすらせずに閉ざす。

クラスの隅っこにいる我々のような人間も、スキップとローファー7巻の「じくじくの新クラス」をちゃんと読んで受け止めましょう。

 


#1 『隅っこからの逆襲ですって言って人気者を叩けるシステムやジャンルも出てきている。クラスでヒエラルキー上の人が隅っこの人を叩いているのと逆転しただけで、誰かを叩いている構造は一緒。』

#2『鬼嫁から尻に敷かれてるキャラの人も嘘、それが本当ならテレビに言えないはずだし、男性社会の名残があって言ってる夫側の優越感が透けて見えて嫌い。』

#4『自分が加害者だって意外と分からない。』

#5『間違った回答をみんなでツッコミ入れて笑いにする構図は実のところイカれてる。』

『ドッキリってかけられる側の人に頼りすぎ。全体重を乗っけてる。その人が怒ったら印象が悪くなる。こんなんで怒るんだ、と言われる傷つきはあるアンテナを装備している人にとって、「あっ・・・」という思いのまま残って一生取れない。』

これらも想像力の欠如に他ならない。本質なんてもんはどこかに追いやって、自己中心的でしか物事を考えられていない。人間は不完全な生き物だからこそ、己を客観的して内省し続けなきゃならないはず。飲み会で失礼な言動する陽キャが、脳内反省会するようなコミュ障を馬鹿にする構図なんて絶対間違ってる。何においてもだけど、"デキる"やつが"デキない"やつを馬鹿にして笑い取る仕組みからいい加減さ、脱却しましょうよ。とはいえ、脳内反省会するコミュ障なタイプな人間も、安易に人見知りという言葉に逃げてもいけない。星野さんに言わせれば「コミュニケーションを取る努力を放棄してありのままの自分を受け入れてほしいと押し付けてるようなもの」なんだから。

 

 

#1『大人になってもストレスが一向に減らない』

#6『日々どんなに真っ暗になっても10年後は忘れてる。』

『今自分が抱えてる誰にも共感してもらえないしんどさも、人生の伏線と考えると楽しくなってくる。』

生きてる限り悩むことから抜け出せない、諦めてうんうん悩みながら生きていくしかないよなぁと開き直るきっかけを与えていただいた気がする。

 

 

P.S.若林さんや星野さんがホストを務める『WOWOWぷらすと』のようなエンターテインメント深掘りトーク番組が見れる未来もあるかもしれないと思うとワクワクする。それまではこのめちゃくちゃな世の中で、しかたなく踊って漂うように生きてみるのも捨てたもんじゃないのかもしれない。

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ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝の見所

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11/5(金)の金曜ロードショーにて『ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝』が放送される。

外伝はTVシリーズの延長上にあるものの独立したストーリーが描かれるので、ぼんやりと設定をご存知であればこれから見始めても大丈夫です。

 

 

さて、見所についてお話したいと思います。

・作画全般

特に前半パートの女学校はいつまでも見ていられる。景色だけでなく動きの所作まで細やかで美しい・・・必見です。

・舞踏会のシーン

ドレスも自然にかつよく動くのですが、普通のアニメだとあんなに動かしません。

あとは、エイミーの表情にも注目です。言葉で語らせない演出がもう素晴らしいの一言。

・前半パートの終わりと後半パートの終わり

どちらのシーンにも風が吹くのですが、とある思いが込められています。それがどういったものか、ぜひ想像しながら見ていただければと思います。

(なお、円盤に付属されている絵コンテに答えが載っています。)

 

以上、ネタバレにならない範囲でのおすすめポイントを簡潔に書き連ねてみました。見る機会に恵まれた方はぜひ外伝をご覧になっていただければと思います。

 

ではでは

 

 

 

 

P.S.個人的に一番心震わされたのは前半パートのエイミーのモノローグ。とある言葉でいつも涙腺が緩む。

 

『名前』には思いを『永遠』にする力がある。

 

 

 

劇場版ヴァイオレット・エヴァ―ガーデンを観て(ネタバレ有)

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『ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン』の劇場版が2度の延期を経て9/18(金)に公開された。

個人的な話を少しさせてもらうと、TVシリーズも外伝映画も後追いで観たため、悔しさや悲しみとは言い切れない、形容しがたい感情をずっと抱いていた。

しかし、あの事件があったため、公開は当分先になるだろうと考えていたし、自分がどんな状況にあろうとも観るという強い気持ちもあった。ただ、京都アニメーションを中心に、制作に関わった方々のご尽力もあって公開は思ったよりも遥かに早いタイミングで、幸運なことに劇場版は公開日当日に観に行くことが出来た。

 

 

 劇場版は『ヴァイオレットとユリス』・『ヴァイオレットとギルベルト』の物語が平行して描かれ、最終的に”ヴァイオレットとギルベルト”の物語へ収束していく。そして、本筋に挿入される形で少し未来のお話が序盤・中盤・終盤に描かれる。

 

この未来のお話ではTVシリーズ第10話で登場したアン・マグノリアの孫である、デイジーマグノリアが祖母から母に宛てた手紙を読み、手紙を書いたヴァイオレット・エヴァ―ガーデンのことが知りたいという動機でC.H郵便社やエカルテ島を訪れた様子が描かれた。

初見時には「お涙頂戴のような手を使ってしまうのか。」とやや残念に感じたが、それが非常に浅はかな考えであることに気づかされたのだった・・・

 

何故このお話を描いたのか。

それは、今を生きる私たちと接点を持たせたかったからではないだろうか。

ヴァイオレット・エヴァ―ガーデンという少女に興味を持ち、原作小説やアニメを通じてその足跡を辿る。C.H郵便社のモデルとなった京都文化博物館を訪れた方も少なからずいらっしゃったと思う。

デイジーも私たちもヴァイオレットがあれからどのように生きたかを知るすべはない。

はっきりとは描かず、断片的な情報があるのみだ。

でも、彼女の未来に想いを馳せ、「きっと幸せに生きた。」と信じている。

大切な人へ想いを伝えることの大事さを改めて実感させてもらった。

 

 

 

さて、本筋の話に戻ると、序盤はエリカがオスカーへ弟子入りしたことや、電波塔の完成間近な様子に代表されるように電灯と電話の普及など、未来を感じさせる描写がある。その一方、ヴァイオレットやディートフリートは過去に囚われたままである様子が描かれている。

 

そんなヴァイオレットにユリスという少年から代筆依頼が舞い込む。不治の病に侵され余命幾ばくも無いユリスは、本心と裏腹に両親や弟に対してきつく当たるが、両親や弟に手紙で本心を伝えたいと思い、代筆依頼を出したのだった。

想いを伝えたい人がもう1人いるにも関わらず。

 

一方、ギルベルトは元々敵国の占領地であったエカルテ島で子どもたちに勉強を教えたり、農業を手伝ったりすることで贖罪を続けている。

ある時、とある子どもから代筆を頼まれる。戦争に行ったきり帰ってこない父親宛てに手紙を送りたいと。

断わりきれない優しさや怪しまれるという危惧、そういったものが頭によぎったかもしれない。ただ、軍人として敵国の人間を数多く殺してきたという罪の意識が代筆を受けた理由であり、この手紙の代筆がきっかけで居場所が判明することとなる。

ギルベルトは、自分が傍にいては彼女を幸せにできないと考えているため、生きていることを誰にも明かさず、会いに来た際にも突き放すような態度を見せる。

誰よりも大切に思う気持ちを覆い隠して。

人殺しという業を背負わせた負い目やブーゲンビリア家を継ぐことが枷になっていた。彼女を戦場に戻してしまう可能性があることをとにかく恐れていたのだ。

 

 

ユリスとギルベルトは2人とも本当に想いを伝えたい相手には及び腰なのである。嫌われたくない、失望されるかもしれない。そんな気持ちが先行してしまう。

そして、ヴァイオレットも同様に「何を話せばよいのか」「おかしくないでしょうか」と、会って話せるかもしれないという可能性を前に戸惑いを隠せない。

不安を溢すそんな彼女に「手紙を書いてみたら?」とだけ伝えたカトレア。

下手に慰める訳でもなく、その場で答える訳でもない。本当の優しさと信頼を感じて、なんて素敵な大人の女性なんだと惚れ惚れした。

 

 

全体を通して第10話との対比や共通点がいくつか見られたように思うが、最も前面に表れていたものは親子愛であった。

第10話はアンの母(親)からアン(子)への想い、

劇場版はユリス(子)から両親(親)への想いが主に描かれていた。

ここに弟のシオンと親友のリュカの存在が加わることで、物語にさらなる厚みをもたらしている。弟のシオンはまだ幼く、兄からの手紙の内容は恐らく理解できていない。

これはギルベルトと幼きヴァイオレットの関係性を少し重ね合わせたのではないだろうか。ブーゲンビリア兄弟との重ね合わせも意図していると思える。

TVシリーズ第3話(ルクリアとスペンサー)における兄妹の関係性に加えて、ディートフリートから弟への想いを聞いたことで、ユリスがシオンに宛てた手紙を書くことができた。

”初めての”代筆経験がここで生きてくる。

見事な脚本としか言いようがない。

 

 

そして、親友のリュカに対して手紙という形では叶わなかったが、電話で想いを伝えることができた。この一連の場面では、電話という技術の進歩があったからこそ、お互いに想いを伝え合えられたのだ。代筆業が廃れていく要因となる電話の価値をアイリスが認めるところに感動的なポイントがある。

カトレアが言っていたように、代筆業という職業はいつか終わりを迎える。だが、悲観的になることはなく、誇りを持って"今"を生きている。

代筆業という職業が存在した事実は消えない。手紙も同じだ。ここであの言葉が思い出される。

 

 

 

『してきたことは消せない。でも……君が自動手記人形としてやってきたことも、消えないんだよ、ヴァイオレット・エヴァーガーデン

 

 

 

P.S.

演出面で気になったことをここでいくつか列挙する。(専門的な話は皆無)

・序盤のヴァイオレットは右端に寄った位置であることが多く、大きな空白はギルベルトの不在を強く感じさせる。

・ギルベルトも同様に右端に寄った位置に立っていることが多い。

(これは重ね合わせの意味もあると思える。)

・終盤でヴァイオレットの元へ向かう際には、画面左方向へ途中で転びながらも全力疾走する姿に胸を打たれる。離れていた距離を彼が必死に埋めようとするように思えて。

(ギルベルトの元へ走って船から飛び降りるシーンは、行動する方向が同じだが一度は彼に拒絶された場面と心境が異なる。)

・ギルベルトが号泣するヴァイオレットを抱擁するシーンは、第10話でのヴァイオレットが泣きじゃくるアンを抱きしめたシーンを彷彿とさせる。

(画面左方向へ走ったアンとそれを追いかけたヴァイオレットという構図の逆ともいえるかもしれない。)

・電話口で不服そうな態度が声に出ていたアイリスとそれに対するカトレアとのやり取りは、後々のユリスとシオンの電話でのやり取りに重なる。

・冒頭のマグノリアの家では老朽化が進んでいることが伝わるように床が軋む音が鳴っている。

海上での記念式典で海風にたなびく髪や衣装の細かさ、自然さ

(相変わらずああいうシーンでは細かいところ動かし過ぎで流石の京アニクオリティ)

・ラストシーンでヴァイオレットが腕を動かすたびに機械音がしっかり入っている。

 

 

 

最後に、劇場版で一番涙が止まらず、毎回泣いてしまうシーンがある。

ユリスが「良かった」と嬉しそうにする姿に胸が締め付けられる。

 綺麗事と片付けてしまうことは簡単だが、自分が同じ状況にあったら同じように幸せを喜べるだろうか。

 

 

 

感想は以上です。

 

 

 

ではでは

ヴァイオレット・エヴァーガーデンを観て(その2)

『君は自分がしてきたことで、どんどん身体に火がついて燃え上っていることを、まだ知らない。』

『いつか俺が言ったことが分かる時が来る。そして、初めて自分が、たくさん火傷していることに気付くんだ。』

『してきたことは消せない。でも……君が自動手記人形としてやってきたことも、消えないんだよ、ヴァイオレット・エヴァーガーデン

 

 

今回は、以前に書いた感想であまり言及しなかったことに触れていきます。

souda0141.hatenablog.com

 

 

主人公のヴァイオレットは「業」、言い換えれば十字架を背負っている。

彼女は数多くの人を殺めてきたという過去を持つ。

親の顔すら知らず孤児として育ち、身寄りのないところを軍人に拾われ、人殺しの道具として扱われていた。

作品内でも記載があるが、彼女は14歳(推定)の少女であり、中学2年生くらいとイメージしてほしい。

 

「そんな境遇だったら、どうしようもなかった 」かもしれない。しかし、己の境遇について彼女はそう思わない。

『誰かにとっての大切な人の命を奪ってきた。』

代筆の仕事を重ねていくたびに己が犯してきた罪に真正面から向き合う。

彼女にとって世界の全てであったギルベルトがそばにいない状況を加味しても、たった14歳の少女が背負うには大きすぎる十字架である。

恐らくこの先、彼女は一生「私は幸せになってもよろしいのでしょうか。」と自問し続けるであろう。

美麗な映像とキャラクター、愛を描いたストーリーに注目されがちだが、上記で述べたような点が根底にあることを忘れてはいけない。

 

 

9月に公開の劇場版では、ヴァイオレット・エヴァーガーデンという少女の物語の終わりが描かれる。

予告映像を見る限りでは、結末は分からないが、過程は原作と異なるストーリーになるのではないかと思います。

なので、周りの人が良いと言ってたけど、観る機会逃したなぁと思っていたアニメ未視聴の方も今から追いつけます。Netflixのみで観れます。

なお、現在1ヶ月の無料トライアルのようなものは無いですが、月額800円というプランがありますので、本作とその他気になる作品観たら更新期限までに解約してしまうのも一つの手です。

 

 

未視聴の方は今のうちに観てくれーーーーーー

劇場版公開後に観てないことを後悔するかもしれないからさ〜〜〜〜〜〜

 

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P.S.

円盤1巻に収録されているオーディオコメンタリーで、石立太一監督とキャラクターデザインの高瀬亜貴子さん、シリーズ演出の藤田春香さんのやり取りが何だか緩くて面白く、円盤2巻のオーコメではヴァイオレット役のオーディションに関するお話もあり、他では聞けないお話も盛りだくさんなので、円盤買って損はないと思います。

 

ではでは!!