そーだメモ

オタクのブログです。

LIGHTHOUSE視聴感想

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全編通して、1番衝撃を受けたのはオードリー若林さんが自身を評して『来訪者』と仰っていたこと。人や物事に対しての興味関心を持ちながらも、己ですら俯瞰的に見る癖があって、どこか社会に対して感じる馴染めなさや違和感を抱く人間を言い表す言葉としてこれほど相応しいものはないと思えた。

何なんだろうとずっと悩んできた自分を肯定された訳でも否定された訳でもなく、「お前そんな感じだよね」と言われた感じに近い。自分は来訪者であり違う星から来た宇宙人みたいなものだと認めると、肩の力が少し抜きやすくなった気がする。「余所者の割には社会生活に普通に溶け込み人間関係を築けてる方じゃん。」って自分で自分をときどき肯定してあげられる。社会の輪に入れない、仲間になかなか入れない、そんな人間も生きられる淡い世界であってほしいなと願うばかり。

 

 

その他、各回で印象的だった言葉とそれにより引き出された気持ちも記していく。

#1『人って変化が本当に苦手。見てた人の雰囲気が変わるっていうことに対して、すぐ喜べたり面白いねって言える人って本当に少ない。』

#2 『人間ってやっぱり人に対して、自分がどう思われているか考えないと生きていけない生物』

SNSで言ってることを本音だと思ってるのが間違い。あくまで表現であり、人に見られる可能性があるものは自分の本音じゃないと思う。SNSの普及もあって、本音をぶつける機会に恵まれてない。しかも、コミュニケーションも最適解か間違ってるかの二項対立になってしまっているけど、大体のことは淡いグラデーションのところにあるはずで、それに耐えられなくなっている。』

#4『何かの愛を発信する時に、周りがどうであれ好きということ、それしか愛の発言として効果がない。』

人間は根本的に楽をしたい生き物なんだと思う。変化するということはそれに適応する必要が出てくるが、「〜なところが好きだったのに」「人気出て変わってしまった」とか自分が好意的な感情を向けていた相手ですらそんな有様なんだから、他人に対してはもっとドライで辛辣であっても不思議ではない。レッテルや固定したイメージを当てはめて、それから逸れた言動を見かけた時に、意味や理由を考えて理解しようとしないからマイナスな発言をしたり相手を突き放したりする。しかも、尖ったやつや逸れものを叩くことがSNSの普及でより手軽なコンテンツになり、もはや不満解消に使われる。仲間外れにいつでもなりうる可能性をみんな秘めている、内心怯えて生きている。

自分も含めみんな、良い意味で『面白がる』ことが出来る余裕を無くしてしまっているのかなぁと思わざるを得ない。

 


#1『一般的な社会で働いて生きていく未来が見えなかった。今やっていることをやるしかない、それ以外の選択肢がない。みんなが行く所に自分は行けない。』

#4 『星野さんの音楽を昔から聴いてました。自分も星野さんみたいにいつか役者もやりたいと思ってるんですよね、と簡単に言われるとイラっとする』『たりてるふたりじゃんとか言われるけど、お前は俺と同じ20代過ごせんだろうなぁ!』

「憧れは理解から最も遠い感情だよ」

「不幸自慢禁止って最初に言ったよなあ?キリがねぇんだよ、そこ張り合い始めたら。全員で不幸目指してヨーイドンだ。そんなんどこに意味がある?」

(それぞれ大有名マンガより引用)

これらの言葉に尽きる気がする。キラキラした面だけじゃないってみんな分かってるはずなのにどうして目を向けないのだろうか。イケメンとか美人に生まれたかった、お金持ちの家の子が良かったとか、そういった人たちが抱える悩みは恵まれない自分たちの悩みに比べたら大したことないと、理解もせず話を聞こうとすらせずに閉ざす。

クラスの隅っこにいる我々のような人間も、スキップとローファー7巻の「じくじくの新クラス」をちゃんと読んで受け止めましょう。

 


#1 『隅っこからの逆襲ですって言って人気者を叩けるシステムやジャンルも出てきている。クラスでヒエラルキー上の人が隅っこの人を叩いているのと逆転しただけで、誰かを叩いている構造は一緒。』

#2『鬼嫁から尻に敷かれてるキャラの人も嘘、それが本当ならテレビに言えないはずだし、男性社会の名残があって言ってる夫側の優越感が透けて見えて嫌い。』

#4『自分が加害者だって意外と分からない。』

#5『間違った回答をみんなでツッコミ入れて笑いにする構図は実のところイカれてる。』

『ドッキリってかけられる側の人に頼りすぎ。全体重を乗っけてる。その人が怒ったら印象が悪くなる。こんなんで怒るんだ、と言われる傷つきはあるアンテナを装備している人にとって、「あっ・・・」という思いのまま残って一生取れない。』

これらも想像力の欠如に他ならない。本質なんてもんはどこかに追いやって、自己中心的でしか物事を考えられていない。人間は不完全な生き物だからこそ、己を客観的して内省し続けなきゃならないはず。飲み会で失礼な言動する陽キャが、脳内反省会するようなコミュ障を馬鹿にする構図なんて絶対間違ってる。何においてもだけど、"デキる"やつが"デキない"やつを馬鹿にして笑い取る仕組みからいい加減さ、脱却しましょうよ。とはいえ、脳内反省会するコミュ障なタイプな人間も、安易に人見知りという言葉に逃げてもいけない。星野さんに言わせれば「コミュニケーションを取る努力を放棄してありのままの自分を受け入れてほしいと押し付けてるようなもの」なんだから。

 

 

#1『大人になってもストレスが一向に減らない』

#6『日々どんなに真っ暗になっても10年後は忘れてる。』

『今自分が抱えてる誰にも共感してもらえないしんどさも、人生の伏線と考えると楽しくなってくる。』

生きてる限り悩むことから抜け出せない、諦めてうんうん悩みながら生きていくしかないよなぁと開き直るきっかけを与えていただいた気がする。

 

 

P.S.若林さんや星野さんがホストを務める『WOWOWぷらすと』のようなエンターテインメント深掘りトーク番組が見れる未来もあるかもしれないと思うとワクワクする。それまではこのめちゃくちゃな世の中で、しかたなく踊って漂うように生きてみるのも捨てたもんじゃないのかもしれない。

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