越前ムラサキは当初、自分の世界に閉じこもっていた。誰かと関わることで自分の色が変わることを恐れていたのだ。
一方で彼女はハミィ閣下に憧れ、歌うことで己を表現していた。
自分のことは理解してほしい、だけど自分の色が変えられてしまうのは嫌だ。
自己中心的。自己完結。
そんな彼女にコニー(七咲ニコル)はハミィ閣下(羽生田ミト)が仲間のために歌っていたことを思い出させる。
「自分の殻に閉じこもるな」そんなメッセージを伝えたかったのだろう。
もう1つの転機は最たる理解者である瀬戸ファーブとの出会いである。
フェス参加を支配人から持ちかけられたファーブはバンドとして参加したいという思いがあった。しかし、ギター担当の堺屋ユメノはいたが、ボーカルとドラムのメンバーが足りない。
そこでボーカルとして彼女が選んだのはムラサキだったのだ。
初めて出会った時、同じ人物に憧れ、同じ景色を見ていることを知り、ムラサキなら"自分が作った曲の世界観や価値観を正しく理解し、その上で歌う本人の世界観や価値観を重ねられる"と信じたからである。
ムラサキ自身も、出会いのシーンでは"「もしも話しかけられたら」と、あらかじめ外していた左耳のイヤホンを〜"という行動をとっていたことや"聴きたいって言うなら、聴かせてもいい。"という心情であったことが描かれている。
”同類”だという直感と、同じビジョンを持つ理解者でありながら個性を尊重してくれる信頼、それが感じられたからこそムラサキはQoPに加わることを決心したのだろう。
彼女との出会いで他者と深く関わる場を手に入れたことは非常に大きい。
その後、ドラムのメンバーとして三森マツリを加え、QoPの原型が出来上がる。
マツリからファーブ・ムラサキはそれぞれ以下のように評されている。
「ファーブは自分のやりたいことや好きなこと以外に、本気で興味関心ないタイプ」
「ムラサキは歌うことに関係あるなしをしっかり考え、必要不必要をきちんと判断しているタイプ」
私自身、これは的確な評価であると思う。ファーブとムラサキは同類だが、根本的に異なる点が存在する。
ファーブは良くも悪くも直線的、ある種恐れ知らずなところがある。
ムラサキは何事にも動じずブレないように見えるが、その実、"怖がり"なのだと思う。
自分には歌しかない、理想とする姿から遠ざかってしまうのでないか。
変わることを恐れる彼女は孤独を選び、自分を表現することを望んだ。そんな彼女をコニーは良くないと諭した。何がいけないのか。
それは「案外、自分のことを知ってるのは自分以外の誰か。」というコニーの言葉から読み取れる。
自分が考える自分らしさは果たして本物と言えるだろうか。他者と関わることで自分とは何かを知ることが出来る。
コニーはそれを伝えたかったのだと考える。
成長したムラサキは文化祭ライブでQoP以外の仲間たちとともに、"あの"4Uの『Hello…my friend』を歌い上げた。らしさを失うことなく。
そして、コニーは白鳥トモエとの特訓を通じて、彼女に再確認させる。
モノは風とぶつかることで形作られていく。
ナナスタの外から吹く"向かい風"とナナスタの内から吹く"追い風"、どちらも必要なのだ。
越前ムラサキは"変わることを恐れない強さ"を手にした。
向かい風上等・追い風大歓迎
「ぶっ壊して勝つから トーゼン」
P.S.
追い風のベクトルを自分に向けてうまく集めちゃえば凄い推進力になるよね。
さて、小難しくいろいろ書き連ねてきましたが、自分が越前ムラサキというアイドルを好きになったのは、t7s 3rd Anniversary Live 17'→XX -CHAIN THE BLOSSOM- in Makuhari Messe、ナナシス3rdライブでの野村麻衣子さんのパフォーマンスがきっかけです。
歌声を聴いた瞬間から鳥肌が止まらない。ただただ「かっこいい」と感じたことを今でもはっきり覚えています。
加えて、MCで「えっ、ギャップしかないじゃん。可愛いし、綺麗とかどういうこと⁈歌ったら別人じゃん・・・好き・・・」と完全に落ちました。
そこからはムラサキコミュ・QoPコミュを読み漁り、グッズも(細々とではありますが)集める。曲は聴きこみ、ハイレゾ版も迷わず購入。
行けなかった武道館ライブで新曲「Clash!!!」が初披露されたことを知り、拗ねる。
「めっちゃ良かった」とか呟いてんじゃねぇ、聴けてねぇんだよ、立ち会えてないんだよ
こんな感じの文句・未練たらたらの魂はナナシス4thライブで救われたのですが、それはまた別のお話。
記事に関しては、読んでくださる方いるのかな、「間違ってる」と言われないかな、と内心ビクビクしています。でも、何かを語りたい、苦手なことにチャレンジしたい、そんな気持ちから書いてみました。
今後も不定期ですが、好きなものや面白いと感じたものについて語り、
「誰かの背中を押す」
自分らしい形でそれができるようになりたいなぁと思っています。
ではでは